
こんにちは、イグサのたかちゃんです。
僕がこの中山家に婿入りして、気づけばもう10年以上。最初は農業なんてまったくの素人でしたが、今ではすっかり“イグサ農家”が板についてきました。
なぜイグサを育てるようになったのか? 正直に言うと、嫁いだ家にイグサ畑があったから。そのまま季節ごとの作業を手伝っているうちに、自然とイグサに魅せられていました。
昔の八代はどこを見てもイグサ畑ばかりでした。僕は八代の千丁町出身。隣近所もみんなイグサ農家。今ではその面影もありませんが、僕はそんな土地の記憶を受け継いでいる一人だと思っています。
最大の壁、それは「使う人が減っている」ことThe biggest obstacle: the number of people using it is decreasing
栽培自体は、慣れてきたら問題ないんです。天気や土の機嫌を見ながら、タイミングを見極める。それが楽しい。でも、どれだけ良いイグサを作っても、使ってくれる人が減っているのが現実。
和室がない家、畳のない暮らし、フローリングが当たり前。そんな時代になってきて、国産の畳表が売れる場がどんどん狭くなってきてるんです。
それに加えて、中国からの安価なイグサも入ってきていて、価格競争では到底かないません。でも、国産のイグサには香り、耐久性、手触り、どれをとっても違いがあるんです。
僕は、「安いから」じゃなくて、「いいから」選ばれるイグサを作りたい。そしてその魅力をもっと多くの人に伝えていきたい。
後継者って言われても、すぐには難しいSuccessors are disappearing
農業全体の話でもありますが、イグサ農家って特に若い農家が少ない。機械も必要だし、作業のタイミングも繊細で、すぐには習得できないんですよね。
僕も嫁いできてからのスタートだったから、最初は本当に苦労しました。でも、その分、身に染みて分かるんです。イグサはただの植物じゃなくて、土地と暮らしに根ざした文化そのものだって。
最近は“和の暮らし”がちょっとずつ見直されてきていて、畳の良さを再発見する人も増えてきている気がします。この流れがもっと広がって、若い世代がイグサに興味を持ってくれたら嬉しいですね。
あとは、費用の問題。これは、またおいおい詳しく話します!
10年、やっと見えてきた“イグサの顔”After 10 years, the “face of Igusa” is finally becoming visible
イグサって、本当に繊細な植物です。日照りが続いたり、収穫前に雨が降ったりすると、色や香りがすぐに変わってしまう。
嫁いできて10年。ようやく“この土地のイグサの顔”が見えてきた気がします。収穫したときにピンと張った緑の葉を見ると、「今年もよかイグサんできたねぇ」と思わずニンマリ。
この瞬間が、ボクにとって最高のご褒美です。
イグサの未来をつなぐのは、“気軽に寝ころべる幸せ”The future of igusa is linked to “the happiness of being able to easily lie down

ゴザの一番の魅力って何だろう?
僕は「ゴロンと寝転がれること」だと思ってます。難しい理屈はなくても、心も体もゆるんで、ちょっと幸せになれる。そんな空間を作るのが、僕たちイグサ農家の役割なんだと感じてます。子どもにとっても安心で安全な空間がつくられる。
イグサの魅力を、一人でも多くの人に届けられるように、これからも伝統と自然に向き合っていきます。
それが、僕がこの地に婿入りして選んだ“農家人生”の意味だと思っています。

